同棲する場合の物件の入居審査について

同棲をされる場合、「2名の収入を合計すれば、家賃は十分に支払える」と考えられる方も多いでしょう。確かに、2名分の収入（所得）があれば、支払能力にまったく問題ないと考えられるケースは多いのです。

しかし、一般的には、審査を行う際には、2名分の年収や月収をそのまま合計して査定してくれるということはありません。契約の名義人となられる方の収入を中心に査定が行われるのです。これは、ほとんどの不動産オーナーさんがそのように考えています。

ただし、名義人とならない方の収入もまったく考慮してくれないというわけではなく、一部を加算してくれるというオーナーさんも多いものです。

例えば、次のように計算します。

名義人の月収：30万円

同棲するもう1名様の月収：20万円

このような場合は、単純に合計すると、「30万円+20万円＝50万円」となります。

しかしそうではなく、そのマンションのオーナーさんが審査で契約名義人でない方の月収の30％は加算して考えるというスタンスですと、「30万円+20万円×30％＝36万円」と計算して考えてくれるのです。

そして、36万円であれば、36万円×1/3＝12万円で計算し、12万円程度の物件であれば審査基準を満たすと考えられたりします。30％も加算して考えてくれるのであれば、良い方だと言うことができますね。

なぜ単純に合計してくれないかと言いますと、やはり同棲しているカップルが別れてしまい、1名だけが物件に残った場合の支払能力をオーナーが心配されるからなのですね。その意味からは、長年付き合っていることもアピールしておきたいところですね。別れる可能性が低いと不動産オーナーに考えてもらえますからね。

こちらでは同棲カップルの収入と不動産賃借の審査の関係に関して書きましたが、これ以外の部分で、保証人となられる方の支払い能力も大きく影響を及ぼすことになります。

不動産のオーナーによっては、どうしても同棲される方々への審査は厳しくなることがあります。

理由のひとつとしましては、やはり上述の通りでして、2名分の収入で生活をしていた方の内、１名がそのマンション等から去ってしまった場合に、残された方の支払能力に不安を感じるためです。

もう一つは、トラブルの観点ですね。

オーナーさんの経験上、騒音トラブルが起こりやすいと考えている場合があるのです。婚約しているカップルや既婚のカップルの場合には、騒音トラブルは少ない傾向にあると聞くこともあるのです。同棲カップルの方が夜間に部屋に友人を呼んで騒ぎを起こしてしまうことが多かったなど、これはオーナーさんの経験によるところが多いのですが。

ただ、このあたりは、オーナーさんや、その物件の管理会社の人に会う時にはきちんとした身なりで会うなどすることで、信用力を高めて審査通過することもできるでしょう。実際には、年齢によるところも大きく、あまりに若いとトラブルが起きそうかなとか思われてしまうこともあるでしょう。

こちらのページの上でも書きましたように、不動産仲介業者を味方につけておくことも大切です。同棲をされる方々の状況に関して、有利な情報は伝えてもらうようにしましょう。

・長年付き合っているので別れて物件から出ていく可能性が低い（交際期間が長い）

・きちんとした身なりの人である

・貯金額きちんとある（場合によっては、貯金額を証明するために通帳のコピーをオーナーに提出するなどの対策を不動産業者に提案してもらっても良いですね）

不動産仲介業者からは積極的に情報を仕入れて、同棲でも高い査定を受けられるように工夫していく必要がありますね。